車両用防護柵(橋梁用ビーム型防護柵)
1.設置選択条件
区間区分と種別の適用
一般区間 | 重大な被害が発生する おそれのある区間 | 新幹線などと交差 または近接する区間 | |||
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区間区分の基本的な考え | 二次被害の重大性 | ●右記 以外の 区間 |
●二次被害が発生すれば 重大なものとなる おそれのある区間 |
●二次被害が発生すれば 極めて重大なものとなる おそれのある区間 |
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乗員安全性 | ●右記 以外の 区間 |
●逸脱すれば当事者が過度の傷 害を受けるおそれのある区間 |
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路外の状況 | 二次被害の重大性 | ●右記 以外の 区間 |
●大都市近郊鉄道地方幹線鉄道 との交差近接区間 ●高速自動車国道、自動車専用 道路などとの交差近接区間 ●走行速度が特に高く、かつ 交通量の多い分離帯設置区間 ●その他重大な二次被害のお それのある区間 |
●新幹線との交差近接区間 ●ガスタンク近接区間など |
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乗員安全性 | ●右記 以外の 区間 |
●路外に大きな落差があるなど 乗員の安全性からみて極めて危険な区間(高さ4m以上) |
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種別の適用 | 高速・ 自専道 |
80㎞/h以上 | A、Am | SB、SBm | SS |
60㎞/h以下 | SC、SCm | SA | |||
その他 道路 |
60㎞/h以上 | B、Bm、Bp | A、Am、Ap | SB、SBp | |
50㎞/h以下 | C、Cm、Cp | B、Bm、Bp(注) |
注)設計速度40㎞/h以下の道路では、C、Cm、Cpを使用することができる。
2.構造および形状
車両用防護柵の路面から防護柵上端までの高さは、原則として、90㎝以上、100㎝以下とする。
所要の性能を満たすために止むを得ず100㎝を超える高さとする場合は、車両衝突時における乗員頭部の安全性を確保できる構造 としなければならない。
3.設計諸元
『防護柵の設置基準・同解説』(平成28年12月改訂)『橋梁用ビーム型防護柵 設計方法』による。
橋梁用ビーム型防護柵の設計諸元 (平成28年版 p110より)
種別 | ブロックアウト量 (㎜)注1 |
横梁の極限曲げ | 支柱 間隔 (m) | 各部高さ (㎝) | |||||
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主要横梁 | 下段横梁 | 横梁合計 | 主要横梁 | 下段横梁 | 主要横梁 上端高さ 「路面から」 | 下段横梁 中心高さ 「地覆面から」 | |||
1本使用時の単体 | 複数本使用時の単体 | ||||||||
C | 40 以上 |
25 以上 |
23 以上 |
17 以上 |
6 以上 |
4.0 以上 |
2.0 以下 |
90以上・ 100以下 |
25以上・ 60以下 |
B | 45 以上 |
30 以上 |
26 以上 |
17 以上 |
9 以上 |
4.5 以上 |
|||
A | 55 以上 |
45 以上 |
50 以上 |
36 以上 |
14 以上 |
7.0 以上 |
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SC | 65 以上 |
55 以上 |
66 以上 |
49 以上 |
17 以上 |
8.5 以上 |
1.5 以下 |
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SB | 75 以上 |
70 以上 |
89 以上 |
68 以上 |
21 以上 |
10.5 以上 |
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SA | 75 以上 |
70 以上 |
110 以上 |
68 以上 |
42 以上 |
21.0 以上 |
4.支柱と横梁の部材選定
静荷重試験により、支柱の極限支持力・最大支持力、横梁の極限曲げモーメントの数値を求め、種別毎に部材の選定を行います。
(『防護柵の設置基準・同解説』(平成28年12月改訂)橋梁用ビーム型防護柵 設計方法による。)
橋梁用ビーム型防護柵の部材は以下のものを使用する。
①横梁は20㎝まで切断することなく変形するもの。
②横梁の極限曲げモーメントの値が、左頁の3.設計諸元を満足するもの。
③支柱と横梁の組合せは下記の部材選定域(グラフ曲線で囲まれる範囲)内の組合せであるもの。